限りなく零に等しい百であり、限りなく永遠に近い有限なのである。
床に入るとき独りで書物を読むとき飯を食うとき、それは突然に襲ってくる。
夢幻のような靄のかかった向こう側に、彼奴がいる。
(白い袴白い頭白い肌)
思い出そうとすると思い出せない、忘れようとすると忘れられない、謎解きのような男。
肌の産毛をなぞられたように身震いして、俺はお前を反駁する。前に逢うた日を数え始める。
他の誰にも感じたことはない此の感覚。故に、特別という響きを持つことを許される此の感覚。
(睫の先、目線、左腕の傷)
病のように其れは訪れる。逢いたい逢いたい今逢いたい。その意識だけが募っていく。
だけれども、若くない。
感情は左心房から動脈へ、浄化されずに身体の確かにある奥底へと溜まっていくだけで、俺は電話もできない。
時々本当に泡沫だったのではないかなと思う。しかしそんな気分になるとお前はどうしてだか現れる。
確固として其処に存在する。優しい言葉の応酬はない。
(銀時、坂田銀時、白夜叉、お前の名前)
他の誰にもこんな気持を覚えない。飽きも知らず昔からずっとそう。
全身が叫んでいる、これは恋。恋と呼ばずして何と呼ぼう。此が恋でないと言うのなら、俺は恋なぞしたくはない。
叫ぶ、笑う、慟哭する、総てをかけて総てを捨てる、其れが恋というものの姿かたち。
柔らかい髪に触れていたい衝動だけで、それだけでもう。
情に畳みかけられて壊れそうになってからやっと、俺はお前に逢いに行ける。小さくて温かいお前の住み処まで。
帰り道を忘れてしまいたいほどの焦燥に駆られながら、歩んでいけるのだ。














定期的に、銀さんに対する好き度が振り切れる桂さん、って萌えませんか