くんずほぐれ
Illusted by AOI and titled and written by JIU NAGAYA
くんずほぐれ、そういう言葉がよく似合う。
どうしてだか、俺も銀時もこんなに成長したというのに、このときばかりは哀しいほどに幼くなる。お互いに、だ。
行為の開始まではまだいい。青臭い了承や気まずい空気に苛まれることなどもうない。俺たちはそこまで若くない。
二人きりになって、何も話すことなどなくなって、一度銀時と目がかちりと音を立てて合えばそれで。
銀時の逞しい腕が、乱暴でも優しくもなく俺の髪に伸びて、俺はその慣れた動きを目で追って、試合開始。
押し倒された先の畳のい草の青っぽい香りが、つんと鼻につく。
緩慢な動作で衣擦れの音を響かせながら、銀時は俺に口づけることを怠け、耳に噛みつき、耳の裏から首へ舌を這わす。
「ン…」
太股を銀時の膝が割り、掌があばらをなぞる。
自分の黒い髪が扇を拡げたようにして、畳の上に組み敷かれているのが目の端に見える。
たまに頬をなぞる銀時の白いふわふわの髪に、実は一番官能を感じるというのは傷つきやすい此奴のために言わずにおく。
「あっ…ふ、」
「ヅラ、後ろ向け」
銀時の熱っぽい声が、いつもより早めに指示を出す。
俺は、常ならば天の邪鬼に、此奴の言うことにいちいち違う解釈をつけてみたりするのだが、この時ばかりはどうしても逆らおうという気になれない。
前述の通り、幼くなるから。精神のどこにもそんな余裕が生まれない。
ゆっくりと、身体をひっくり返して露わになった背を向ける。
銀時はあまり衣服を脱がさない。皺になるから俺は脱ぎたいのだが、それすらも億劫だと舌を這わされると思ってしまう。
銀時の指が明らかに意図を持って胸の周辺を彷徨い、もどかしさを感じ始めたところで敏感な突起に触れる。
俺が焦れるタイミングも、此奴は熟知していて、どこまで俺の知らないことを知っているんだろうと少し不安にさえなる。
ぐりぐりと乳首を押しつぶしながら、銀時は尻に手を這わす。この頃になるともう何も考えたくなくなる。
熱が全てを支配し、俺は自分が誰かも忘れて声の出る儘にする。
「あぁっ、ンや…っ」
しかし、今日はなかなか局部に指が届かない。不審に思い、首を銀時の方に向けると、彼は俺の頭を元の位置に戻した。
「ッぎ…ん…なん、で」
「なにが?」
「…はぁ、も、じらすな…っ」
「何でよ?」
銀時が悪戯っぽい笑いを含んだ声で問う。
ああ、くそ、これだ。俺は悔しい気持ちになりながらも、銀時の悪戯に付き合うこととする。
「ん…っはや、く、ほしぃ…」
「…あぁ、そーだろうね−。まだちょっとしかいじってねぇのにお前、ココびんびんじゃん。
そんなに銀さんに触られて気持ちぃ?昨日もヤったばっかなのに、まだ俺が足りない?」
ぐい、と既に熱く堅く膨張した自身を握りこまれ、痛みと快楽に腰が仰け反る。
がくりと膝を折ると、「何やってんの立てよ」と間髪入れずに銀時が命じる。
「た、りない…っぎんときぃ…っもっと、さわって…くれっ」
「は、ほんととんだ淫乱だよなお前。
まさかテロリストが俺みたいな侍風情にメチャクチャにおもちゃみてぇに毎晩毎晩いじくり回されてるとは、お天道サンも思うめぇよ」
「っぁあっ」
太い中指が、後孔に食い込んでくる。突かれたように快感が走り、流れ込む。
同時に握り込まれていた性器が控えめに扱き始められ、途端に波が押し寄せる。
銀時の言葉が脳髄にまで染み渡り、俺の熱を上げる。
そうだ、誰が思うだろう、俺が犬のように男に腰を振り、喘いでいるなんて。銀時の言う通り、俺は淫らだ。でも、気持ちいい。
「あっぁ、んア、いぃ…!」
「そんなにイイか?じゃ指だけでイく?」
「っや、やだ、もっと、ふといの…」
先走りの汁が銀時の手の間から溢れて、畳に卑猥な痕を点ける。
身体を支えるのも精一杯で、身体中が震える。頭が真っ白な靄に覆われて、何も考えられない。
譫言のように銀時の卑猥な質問に答えるしかできない。
「ふといの?それって何のこと?げんこつとか?」
「っあんっ、ちがァ、ぎ、ぎん、ときのぉ…やぁうっ!」
「あ?何?聞こえねーっつの」
俺が答えを言う直前に、銀時は指の本数を増やし動きを急に早める。
じんじんと広がる快楽に、俺は身を投げようとする。ああ、もう、悦くって、たまらない。
「はっ、ぎん、ときの、ちんちん…っ」
「ちんちんってお前、ガキかよ」
嘲るように嗤って、まぁいいけど、可愛いじゃん、と吐き捨て指を引き抜く。
扱かれていた所為で仰け反った己の性器が痛いほどだ。ぐ、っと体重が掛けられて、銀時が俺にのしかかる。
その重みにさえいやらしさを感じる。この瞬間には、俺はただの浅ましい獣だ。
「あぁんっ、ふあ、アっ、ぎんとき、すご…あっ」
「昨日と今日と、どっちがイイ、?」
「ンんっ、う、きょう、のほ、が…すごッ…!」
「何で?」
「あぁっ、あ、わ、からン…っけど…!あ、も、イく…っ!」
銀時が腰を無遠慮に動かし、体内でがつがつと音が響く。
二、三度腰を振らされただけで、俺は絶頂感を訴えた。
しかし、それを銀時が許さない。出口を堰き止められ、放出されそうになった精液が押し戻される。
「い…ッ!やっ、」
「まだイくなよ…早すぎんだろ。中学生かお前は」
銀時の悪態にももう殆ど余裕がない。彼もまた限界が近付いてきているのだ。
いつも飄々としている銀時の、表面にある何かをそぎ落としているようで、彼のこの時の声は好きだ。
「あぁ…っ!やぁ、あ、イかせろ、ぎんとき…っ!」
そう言うと、身体を無理に起こされ、銀時の膝に前向きに座る形を取らされた。
違う角度から突き上げられ、更に苦しくなる。
「イかせろ?誰に口聞いてんだ、ヅラぁ」
「や、あ、ア、あっ、ぎんと、きに」
「…いやそういう…あーも、いーやめんどくせ…っ」
銀時が背中に、首に吸い付く。
同時に、中でどくんと脈が打って、熱く粘度の高い液体が入り込んでくる。
堰き止められていた部分が解放され、待ちかねたように俺も射精した。
「あっあぁアっ…!は、は…ぁっ」
「ヅラぁ、お前、ほんとアレだわ、エロいわ…」
「…ヅラじゃない桂だ…っ」
昔から、本当に、俺の口癖も何もかも、哀しいほどに変わらない。
もう少し余裕のあるセックスができればいいと思うが、それもつまらないことかもしれない。
乱れた着物と汚れた畳の心配をする前に、これ以上ないほど十分な余韻に浸る。
今日は喘ぎが過ぎたな、と反省も申し訳程度に。
そうやってまた、失った余裕を取り戻す。次に溺れるときのため。
アオイさんあんた神だ
絵師アオイさまとの合作です。無理矢理エロ絵をせびった挙げ句、こんなやまもおちも意味もない文を付与し
改悪してしまった私は最低。現代銀桂でガチエロ、地味にこのサイトにない。とにかく猛省しております…。
それにしても何つぅ萌える絵なんでしょう。こんな駄目サイトで明らかに浮いとります。ゴミ捨て場の一輪の花です。掃きだめに鶴です。もったいねぇー!
アオイさま、このたびは本当に本当にありがとうございました!
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